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zoom RSS スコット・ウォーカー "Tilt" の古楽器

<<   作成日時 : 2009/04/25 22:37   >>

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昨年来 あわただしい日常に埋没して音楽を聞くどころじゃない近況なのですが London公演後 真っ先に聞きたくなった音楽は アルバム "Tilt" (ティルト)(1995年作品)でした。 

その理由は Barbicanシアターでの"Drifting and Tilting : The Songs of Scott Walker"公演のラストを締めくくった "Farmer In The City" での胸が震えるような感動に他なりません。
メイン・ヴォーカルを担ったデーモン・アルバーン(Damon Albarn)はじめ 舞台のすべてが素晴らしかったのです。
(youtubeの映像では 残念ながら全体の雰囲気が分かりません。)

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知る人ぞ知る "Farmer In The City" は アルバム"Tilt" の1曲目の作品で
虚空に響く "21 21 21"(twenty one) という謎めいた独特なリフレインが印象的な曲。 
鮮烈な舞台のイメージを思い浮かべながら改めてスコット自身の歌を聞いてみると この作品の幽玄で凛とした美しさに 聴き惚れてしまうばかり。

またこの公演でスポットを浴びたいくつかの楽器や「効果音」は  "Tilt"に使用されている楽器についても より一層興味を抱かせるものとなりました。 

音と声の「玉手箱」的アプローチも "Tilt" を楽しむ方法かもしれません。 


        ◆◇◆"Tilt"で使われている古楽器&珍しい楽器◆◇◆
 
Farmer In The City・・・Chittarone (キタローネ)

リュートのネックを長〜くした2つの糸蔵の位置が異なる低音の撥弦楽器。

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★演奏はyoutubeのこちら。 解説はこちら。 


The Cockfighter・・・Celeste (チェレスタ)

小型の共鳴器がついた鍵盤楽器。
鉄琴やオルゴールのような澄んだ可愛らしい音。
チャイコフスキーのくるみ割り人形「金平糖の踊り」はこの楽器を用いた最初期の曲。 スコットがその昔影響を受けたというハンガリーの作曲家バルトーク(Bartok)作品に「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」(1936年)があります。 

(ちなみにDonovanの紹介サイトによると 1966年発表されたアルバム "Sunshine Superman" 挿入曲に"Celeste"という歌があり 間奏でこの楽器が使われています。 youtubeで聞けますよ。) 

★チェレスタの音と分かりやすい解説はこちら

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                (現在のYAMAHA製)

Bouncer See Bouncer・・・Hurdy-Gurdy (手回しオルガン)

「虫の音」のために現代の手回しオルガン奏者 "Nigel Eaton"のサウンドを使用。 

★ナイジェル・イートンの実際の演奏シーンは ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと共演したこちらのLIVE。 (演奏がとってもカッコイイ!→残念なことに映像は削除されてしまいました。 音楽の試聴はOK。)

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Manhattan・・・Concertina (コンサーティーナー)

アコーディオンを小さくしたような八角or六角形の蛇腹の楽器。
(日本風には「八角手風琴」という粋な名前) 

★詳細はこちら

この曲でコンサーティナーを演奏している"Andrew Cronshaw"(アンドリュー・クロンショー)は イギリスのチターの名手で民俗楽器のマルチ・プレイヤーだそうです。 

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Bolivia '95・・・Ba-Wu (バウー・巴烏)

中国雲南省の山岳民族に伝わる竹笛(リード楽器)。 
"Bolivia '95"のイントロに流れるそこはかとない哀調を帯びた美しい音色とメロディは 一度聴いたら忘れられません。 演奏者は前述のAndrew Cronshaw。
(写真が本人)

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★Andrew Chronshawの演奏はyoutubeのこちら

★Ba-Wuの中国人の実演はyoutubeのこちら。 

***竹笛の種類は色々あれど 乾いた哀しみが漂うこの音色にすっかり魅了されてしまいました***

Bolivia '95・・・Cimbalom (ツィンバロム)

ハンガリーを中心とした東欧の打弦楽器。 詳細はこちら

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          ◆〜〜〜〜〜〜◆〜〜〜〜〜〜◆        
              
アンダーグラウンドのエスニックな香りとコスモポリタンな雰囲気を放つアルバム "Tilt" によって初めて知った古楽器や民俗楽器。
しかし「いかにも」的な使い方をしないところが スコットらしくクール!  
吐息 虫の音 壮麗なストリングス 爆発音 ・・・音・歌の一木一草にScott Walkerの音楽魂が宿っている。

とにかく "Tilt" の奥深い魅力に唸った次第です。 

"Tilt"の試聴はHMVのこちら

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コメント(4件)

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早速Tiltを聴きました!catwalkerさんが詳細にご説明下さった楽器について、改めて納得しながら聴きますと、不思議にScottの創りたかった世界に少し近づいたような気分になりました(笑)Tiltがまた違って聴こえてきます。 私はアラブ系の音楽を聴きますが、結構音色や雰囲気が似ている楽器もあるんですね。それにしてもよくお調べになっていらっしゃいますねえ。
lalamoon
2009/04/26 15:31
私もTiltを聴きました。こんなに詳しく書いてあるともう一度聴きなおしてみたくなりますよね。最初にTilt聴いた時、ずいぶん凝った音づくりだなあと思ったのですが、古楽器まで使っているのですね。ナイジェル・イートンの演奏ほんとうにカッコイイ。はじめて見る楽器だったので演奏に見入ってしまいました。
TC
2009/04/26 22:44
早速反応を寄せて下さって、嬉しいです(*^_^*)
お二人の感想にあるように、珍しい楽器が
どのように使われているかを聞いてみるのは
なかなかに面白い体験でした。
聞き手の興味の持ち方で、
人それぞれの「再発見」があれば、
音楽の輪が広がってゆく。
何てステキなことでしょう!




catwalker
2009/04/27 01:34
わぉ〜!すごい!こんなに多くの楽器が使われていたんですね。民族音楽って面白いなあって思っていましたが、まだまだ底知れない魅力を感じてしまいます。そしてもちろんScottの音作りもスゴイ、なるほど奥深〜い世界を感じさせる音になるはずです。
catwalkerさん、あっぱれ!こんなに詳しい情報うれしいなぁ、ありがとうございます。
jiejo
2009/05/07 16:34
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