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zoom RSS 「ロイヤル・オペラ・ハウス2」作曲家スコット参加作品 

<<   作成日時 : 2011/03/08 16:35   >>

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Scott Walkerが音楽を担当する英国ロイヤル・オペラ・ハウス2での6月公演の概要が発表されました。

Jiejoさんのコメントでご案内のとおり ジャン・コクトーの戯曲2作をアレッタ・コリンズ(Aletta Collins)とトム・ケアンズ(Tom Cairns)がプロデュース。
人の心を翻弄する愛情の内面が 音とダンスと声を駆使した画期的な手法によって表現される模様。


演目: "La Voix Humaine" (The Human Voice 人間の声)

     "Duet for One"   

日時: 2011年 6月17日(金)18日(土) 20日(月)
             22日(水) 24日(金) 25日(土)

開演: 午後7:45 (上演時間1時間30分)

会場: The Royal Opera House 2 (The Linbury Studio Theatre)
                   (Covent Garden, London)

詳細: The Royal Opera HouseのHPはこちら

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■"La Voix Humaine"(人間の声)

コクトー1932年の戯曲にフランシス・プーランクが作曲した一人芝居のオペラを 現代に翻案したトム・ケアンズのユニークな換骨奪胎ぶりが見もの!のようです。

《あらすじ》
A young woman has been interrupted during a telephone call from her lover of five years. He has abandoned her and is to marry another woman the following day. This is the last time they will speak to each other.

*モノローグ・オペラ「人間の声」は 近年日本でも日本語で上演され あらすじや内容が下記に紹介されています。 (「河童メソッド」さんのこちらのblog)

『5年間も愛し合った末に棄てられた女が、睡眠薬自殺をはかる。 1ダースも飲んだが死ねなくて、目覚めたあと、相手の男からかかってきた電話で、次第に現実が蘇る。 愛されるあてもなく、悶え、笑い、嘆き、いたわり、偽り、虚勢を張ったりするが、いよいよ別れの時が来て、電話のコードを首に巻いて相手の声を聞きながら「好きよ、好きよ」と思いのたけを叫んでこと切れる。』 (「河童メソッド」さんのblogより)


■"Duet for One"

コクトー1940年の戯曲 "Le Bel Indifférent" をアレッタ・コリンズの新解釈でダンス作品に構築。 この音楽をスコットが担当。

アレッタ・コリンズは この20年間最もスタイリッシュで革新的な振り付け・オペラ・映像・舞台の第一線で活躍し世界的な評価を得ているダンス・パフォーマンスのクリエイター。

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In "Duet for One" Voice, a world-premiere, Collins re-imagines Cocteau’s monologue "Le Bel Indifférent" for dancers, with a newly composed score by composer Scott Walker.

松岡正剛の「千夜千冊」 ジャン・コクトー「白書」のこちらにある記述・・・ 

『・・・もう一人、エディット・ピアフも壮年期のコクトーの琴線をぐらぐらゆさぶった。 一幕劇「冷淡な美男子」は戦時中に書かれたピアフのための戯曲であった。
コクトーはピアフの内に星色の天鵞絨を見る。 だから「エディット・ピアフは決して存在しなかったし、これからも決して 存在しないであろう」と書いた。 ピアフの不幸はおこってほしくない不幸だったのである。』

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"Duet for One" の原典となった"Le Bel Indifférent"について最初は "La Voix Humaine" と区別がつかず判然としなかったのですが 邦題が「冷淡な美男子」だと知ってやっとその内容が分かってきました。

『ホテルの一室を舞台に、愛人エミール(男性)に対する女Cの嫉妬といさかい、そして別れを描く。 エミールは終始無言で、Cの一人芝居の形となっている。』・・・こちらの登場人物は男女二人の舞台のようです。


                 (Voice: Edith Piaf)

*両作品の音源はフランスでCD化されています。 「私たちは20世紀に生まれた:コクトーの女たちの独白」のこちらが参考になります。

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そして・・・・・

新しいフランス文化勃興期の中心で激しく熱い愛に生きたエディット・ピアフと 多彩な愛をモチーフに20世紀の多様な芸術のマジシャンであったジャン・コクトーの運命的な最期のエピソードは ある時代が終わる寂しさと同時にコクトーの粋な遊び心を物語っているかのようです。

『47歳になってまもなくの1963年10月10日、ピアフはリヴィエラで癌により死去する。  死はその翌日に公表されたが、同日友人のジャン・コクトーが死去した。 ピアフの死に衝撃を隠せず「何ということだ」と言いながら寝室へ入りそのまま心臓発作で息を引き取ったという。 彼女の公式の命日は死が公表された10月11日とされている。』(ウィキペディアより)  

これぞ・・・究極の"Duet for One"?!

◆スコット・ウォーカーが作曲したダンス・パフォーマンス音楽は これまで2作品ありましたが 2007年のCandoco Dance Companyへ提供した楽曲"and who shall go to the ball? and what shall go to the ball? "は 動きの速いダンスに合わせた刺激的な音塊群と無音のせめぎ合いがイマジナティブで 実際の舞台は見なくても 十分に美しくかつ面白く感じられました。
もっとも これは鑑賞用の曲じゃないので 私のような受け止め方をする人は ごく少数とは思いますが・・・。

今度の舞台は 前回とうって変わって小さな室内に展開する個人の心理劇・・・スコットが一体どんな音を創りだすのか興味は尽きません。

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
いつも情報ありがとうございます。ドキドキします。
pp
2011/03/08 18:29
待ってました!catさん膨大かつ内容濃い情報有難うございます!
私達は長い冬の間Scottの取り組んでいるであろう、新しい挑戦にすこしづつ期待を膨らませていました。勿論彼の納得する作品ですから、難解でしょうが、素晴らしい出来に決まっています。でもいつも気になるのは彼の健康です。彼の制作活動は心身ともに酷使するのではと心配でした。
でもこうしていよいよプログラムも決まりスケジュールも発表されると一気に春が来たような明るい兆しを感じます。あとはリハーサルが無事に進みますように。Drifting and Tiltingの成功の実績がありますからswallowはちいとも心配しておりませんけどね(うそつけ!)
ピアフとコクトーの最期の話も初めて知りました。すごいですね。
swallow
2011/03/08 22:30
オルフェが取り持つ縁でしょうか
楽しみですね。
とは言っても当然イギリスまでは行けないので
CDを待つしかないのですが
発売日を首を長くして待つのも楽しみのうち。
正月や遠足の日を待つ気分です。
miracle-mule
URL
2011/03/09 02:24
jiejoさん、catさん貴重な情報をありがとうございました。Scottの創作活動が衰えを知らないほどに、無限の広がりを展開していくようで心が躍ります。 この時期のイギリスは最高ですし、緒事情が許す方は是非渡英されて、ご覧になられてはいかがでしょうか。またScottが現れるかもしれませんしね。
lalamoon
2011/03/09 09:18
こんな新鮮なニュースの時になんですが、むかしむかしのJohn Walkerの美しい美しいLoversアップしました。このナンバー、なんとあのScotWalkerがプロデュースしたんですねー、1975年、“No Regrets"からなんですねー。さあご覧くださいねー(淀長さんになりきってる)
http://www.youtube.com/watch?v=Fa-SKQXiLjU
そうそう、真ん中辺でチャールトン・ヘストンにそっくりなスチールがでてきますよ。ScottやGaryの言うとおり確かに似てる。
swallow
2011/03/09 15:18
あっぱれ!catwalkerさん!
情報盛りだくさんな素晴らしい記事を、ありがとうございます。この舞台はScottにとっても、おおいにやりがいのある仕事でしょうね。
気持ちだけはロンドンに飛んでいってしまいそうな私、
どうかCD化されますようにと祈るばかりです。。。
jiejo
2011/03/09 18:39
catさん
盛りだくさんの記事、いつもありがとうございます。
Scottが活躍していると思うだけで、ワクワクします〜!
OKOGE
2011/03/10 07:04
「ピアフとコクトーの最期の話」私も初めて知りました。で、 ジャンコクトーの「白書」衝動買。YouTubeも4まで全て流してみました。意味はチンプンカンプンでしたが、圧倒的な迫力! UPありがとうございました。
ほんと、内容が濃いこのブログ。素晴らしいです!
swallowさん
“Lovers”いいですね! さり気ない歌い方とでも言うのでしょうか、この雰囲気、とても好きです。
0109gel
2011/03/10 09:58
catwalkerさん
いつも、フレッシュで濃密な情報を有難うございます。
私にとって、Scottは最後の男なので(X X;)
大変嬉しいです!
もう・・涙ものですよ(^▽^)ノ
天才 Scottの、6月公演の大成功を祈ります。
michiko187
2011/03/10 14:09
沢山の記事ありがとう。衰えない創作活動で、私達に新しい世界を提供している、Scottに励まされます。catさんいつも、ありがとうです。とても嬉しいです。
hiro
2011/03/10 19:16
お久しぶりのlalamoonさんはじめ皆さんからScottへの熱い期待を寄せていただきどうもありがとう! 
Yuto Nagatomoに倣って「世界一のSWファンになる!」ためには日頃の「研鑽」が大事なのですが やることなすこといつも「付け焼刃」の内容でお恥ずかしい限りです。。。(~_~;)
それにひきかえ皆さんの熱い心意気は「ワールドクラス」! 
catwalker
2011/03/10 21:55
「ロイヤル・オペラ・ハウス2」作曲家スコット参加作品   スコット・ウォーカー Scott 音楽のみなもと/BIGLOBEウェブリブログ
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